代表弁護士 宇賀神 徹 (うかがみ とおる)

過払い金があるかもしれないと考える人は、過払い金請求によって払い過ぎた利子を取り戻すことができます。

しかし、過払い金請求をしたことがないという人はどのように請求すべきか分からないものです。

過払い金請求の流れを見ながらどのように請求すべきなのか紹介していきます。

過払い金請求は弁護士に依頼すべき?

まず、過払い金があるかもしれないと考えた時に自分自身で解決するのか、弁護士に依頼するのか悩むものです。

個人で手続きを進めることも不可能ではありませんが、多くの人が弁護士など専門家に依頼することが多くなっています

その理由から見ていきましょう。

手続きの準備や手間が大変

過払い金請求を個人で行うには非常に時間がかかり、大変です。

貸金業者に取引履歴の開示請求を行っても、個人であればすぐに返答が来るとは限りません。

しかも取引履歴から引き直し計算を行わなくてはいけませんが、知識が必要なので更に時間がかかってしまいます。

また、過払い金請求には時効があるので、手間取っている間に時効が訪れてしまえば過払い金請求が出来なくなってしまいます。

そのため、個人で請求手続きをするのは労力と時間がかかるため、弁護士に依頼する人が多いのです。

正当な返還額を得られない可能性がある

個人で過払い金請求をすれば、貸金業者は素人を相手にするものと判断して甘くみた対応をするケースも多くなっています。

そうすると、本当は得られるはずの返還額よりも減額されてしまう場合があるのです。

相手は知識もあるプロですし交渉力もあるので、こちらも知識と交渉力のある弁護士に依頼した方が正当な返還額を得られる可能性が高まります

過払い金が返還されるまでの流れ

弁護士に過払い金請求を依頼した場合には、過払い金返還を受けるまでに個人差はありますが、3カ月~1年ほど必要です。

任意交渉で合意するか訴訟になるのかによっても期間は異なりますが、どのような流れで手続きが進むのか理解しておきましょう。

受任通知の送付・取引履歴の開示請求

弁護士に依頼をすると、すぐに貸金業者宛に受任通知の送付と取引履歴の開示請求を行います。

受任通知は、弁護士が過払い金請求を開始することを伝えるための通知だけではなく、借金を返済中であれば一時的に返済を止めることができます。

また、債権者が直接債務者に連絡することもできなくなるので、督促も止めることができます。

引き直し計算をして過払い金を調べて返還請求書を送付する

貸金業者より1~2カ月ほどで取引履歴が弁護士の元へ送付されます。

取引履歴が届いたら、利息制限法の上限金利に基づいて引き直し計算を行います。

上限金利を超えている金利は過払い金となり、過払い金返還請求ができます

引き直し計算によって過払い金が判明した場合には、過払い金の返還請求を書面にして貸金業者に送付します。

貸金業者との交渉

過払い金返還請求書を元にした交渉を貸金業者と弁護士が行います。

双方が納得した場合には、こちらで和解が成立して過払い金が返還されます。

交渉が成立しない場合には訴訟へ

交渉で貸金業者と和解ができないような場合には、裁判所に提起します。

訴訟では口頭弁論などが行われますが、弁護士が代理人として出廷するので任せることができます。

訴訟となると長期化するため、半年以上はかかることになりますが、任意の和解よりも多くの金額を回収することができる可能性が高まります。

過払い金請求において注意したい点

過払い金請求によって払い過ぎた利子が返還されますが、請求において注意しておきたい点があります。

過払い金請求を行う前に、注意点を確認しておきましょう。

過払い金請求には時効がある

過払い金がある場合でも、請求するには時効があります。

最後の取引から10年という時効があるので、時効が過ぎている場合には過払い金の返還請求をすることはできません。

そのため、過払い金があるのではないかと考える場合には、1日でも早く弁護士に相談することをおすすめします。

過払い金請求だけが解決方法ではない

借金を少しでも楽にするために、過払い金請求でお金を取り戻したいという考えから過払い金請求をしたいと考える人もいるでしょう。

ただし、過払い金請求は2008年のグレーゾーン金利が廃止になる前までに発生しているものとなるので、既に借金が完済している人が多くなっています。

そのため、現在借金問題を抱えている場合には、過払い金請求ではなく債務整理を行う方が借金返済の負担を減らせる可能性があります

弁護士に相談して、自身に合った方法で借金問題を解決しましょう。

まとめ

過払い金の流れを見ても分かるように、過払い金の返還請求をするには交渉や引き直し計算など知識と経験が必要になります。

弁護士に相談する場合でも、過払い金など借金問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所は3000件の相談実績を誇り、債務整理など借金問題に強い弁護士が在籍しております。

相談は何度でも無料となりますので、過払い金がある場合や過払い金の可能性がある場合には少しでも早くご相談ください。

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