個人再生が認可されれば、借金が大幅に減額されるので返済の負担をかなり減らすことができます。
ただし、借金の返済に困る人を救済する制度とは言え、誰もが認可されるわけではありません。
手続を申立てしても認可されない場合や、認可された後に廃止されてしまうようなケースもあります。
個人再生ができないようなケースとはどういったものがあるのか紹介していきます。
個人再生が失敗してしまうケースとは
個人再生をするには、裁判所に申立てを行うことで認可するかどうかを裁判所が検討します。
個人再生ができないような状態に陥るケースは、「棄却」「廃止」「不認可」「取消し」の4つのパターンが考えられます。
個人再生が失敗してしまう4つのパターンについて見ていきましょう。
申立てが棄却されるケース
個人再生の手続を裁判所に申立てしても、棄却事由に該当している項目がある場合には申立て自体が棄却されることになってしまいます。
棄却されてしまう条件は以下です。
- 再生手続きの費用の予納がない
- 収入が不足していたり、継続的な収入を得られる見込みがないので再生計画の履行が難しいと予想される
- 住宅ローンを除く債務が5000万円を超えている
- 不当な目的で申立てが行われている
理由次第では再度申立てを行うことができますが、棄却事由が解決されない場合にはもう一度申立てをしても棄却されてしまいます。
途中で廃止になるケース
個人再生の手続の途中で廃止になってしまうケースもあります。
提出した書類に虚偽がある場合や、期限内に再生計画案を提出しないような場合です。
また、小規模個人再生に限りますが、手続きの途中に債権者による書面決議が行われます。
個人再生の計画案に対する債権者が行う決議ですが、債権者によって否決された場合には手続きが中止されてしまいます。
再生計画が不認可とされるケース
再生計画を認可するかどうかの最終判断は、裁判所が行います。
債権者の反対もなかったものの再生計画が不認可になるケースは、棄却事由と重なる点もあります。
再生手続きの開始が決定されてから棄却事由に当てはまることが判明した際に、再生計画が不認可とされるのです。
また、清算価値保証の原則を満たしていない場合も不認可とされます。
これは、個人再生での返済額が自己破産をする場合以上の金額を弁済に充てなくてはいけないという原則であり、満たされていない場合には不認可となります。
再生計画が取消しになるケース
再生計画が認可されたにも関わらず、後から取消しになってしまうというケースもあります。
再生計画が何らかの不正によって成立した場合と、再生計画通りに返済をしなかった場合に取消しとなります。
再生計画案によって決められた支払ができない場合には取消しとなるので、再生計画が認可されたからといっても安心はできません。
個人再生が失敗しないためのポイント
せっかく個人再生の手続きを行ったのに失敗してしまっては元も子もありません。
手続のためには書類を集めたり作成したりと労力が必要なので、失敗してしまうようなことは避けたいものです。
そのためにも、個人再生の手続をする前に以下のポイントを押さえておきましょう。
本当に自分にあった債務整理方法か考える
債務整理は個人再生だけではありません。
任意整理や自己破産という方法もあり、借金額や収入、財産など全てをトータルで考えた上で債務整理方法を選ぶ必要があります。
借金の返済が困難だからといって借金額の返済が減る個人再生を選んだとしても、その後返済ができなければ意味がありません。
そうすれば最終的に自己破産になってしまうので、最初から自己破産を選んでいた方が良かったというケースもあります。
また、一部の借金の利子だけ整理すれば返済できるようなケースであれば任意整理でも十分に返済できますし、状況に合った債務整理を選ぶことが大切です。
専門家に相談する
個人再生であっても、他の債務整理方法であっても法律の専門的な知識が必要になります。
自分自身で手続きをすることも可能ですが、時間と労力必要となるので、日常生活を過ごしながら調べたり準備することは大変です。
個人再生や自己破産は複雑な手続きとなるため、ほとんどの人が専門科に依頼をしています。
弁護士に依頼すれば、書類作成などの面倒な手続きを任せられるだけでなく、知識や経験からあなた自身に合った債務整理方法の提案を受けることもできます。
そうすれば、債務整理が失敗したというような結果にならずに済むでしょう。
まとめ
個人再生が失敗しないようにするには、弁護士に相談した上でしっかりと準備をした上で手続きを進める必要があります。
また、反対に弁護士に相談するのは敷居が高すぎると感じて一人で悩み続けていても解決にはなりません。
当事務所では相談は何度でも無料なので、借金に関する悩みがある場合には気軽にご相談ください。
相談者様に合った債務整理方法を提案するだけではなく、まずはそれぞれの債務整理方法について分かりやすく丁寧に説明致します。